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使用する燃料は、各運転者が標準的に用いるものを使用することとしたが、分析項目及び分析方法については予め統一した。
3.3 機関各諸元の計測
前項で定めた試験方案にそって、表3.1に示した試験機関の陸上試運転時並びに試験船の海上試運転時に計測を行った。
3.4 自然条件の変化に伴う機関各諸元の変化の計測
表3.1に示した試験船の中で、C船(外航原油タンカー)及びE船(内航白油タンカー)の2隻については、就航後の経年変化及び海象等の影響を把握するため、乗船計測を適時行った。乗船計測は、就航後1カ年間を目途としH7からH8年度にかけてC船は2回(12日間)、E船は7回(28日間)実施した。
3.5 条件の違いによる影響調査
統一した計測方案にそって試験を進めるに際して、計測に影響を与えると考えられる次のような各内容についても、検証試験を前3.3の機関各諸元の計測と同時に行った。
(1)機関回転数の違いによる影響陸上試験にて、海上試験の状態を模擬して、同一負荷でプロペラマージン分(3%回転数増)での計測と、就航後の状態を模擬してトルクリッチ側(3%回転数減)での計測を行った。
(2)トルク変動の影響機関へ外乱が与えられた時、機関は一定回転数制御を行っており、燃料量を自動的に制御する。トルク変動の影響を確認するため海上試運転での操舵試験時の燃料量・回転数の変化に対する、排気ガス性状の変化等を計測した。
(3)NOx濃度/酸素濃度計の計測原理の違いによる影響NOx濃度計測には大きく分けて4つの方法(化学発光法、非分散型赤外分析法、定電位電解法、非分散型紫外線分析法)があるが、取り扱い性や操作性等を考慮の上、化学発光法(以下、CLDと略)と定電位電解法(以下、ECCと略)を用いた。同時に計測して、2機種の比較を行った。
(4)計測位置の違いによる影響船内の狭隆なスペースでの排気ガス管では、各船で同一の場所からのサンプリングは困難である。排気ガス管の径方向及び流れ方向の双方について、サンプリング位置を替えての計測を行った。
(5)排気ガス量の算出方法の違いによる影響ISOで定めている、単位出力当たりの排出NOx量(g/kWh)の表示のために、排気ガス量を算出する必要がある。この排気ガス量の算出方法についてはいくつかあるが、ここでは過給機吸込空気計測と燃料消費量から求める方法、過給機タービン特性から求める方法、排気ガス中のC02濃度から求めるカーボンバランス法、排気ガス中の酸素濃度から求める酸素バランス法の4種類の異なる方法について検討した。
(6)湿度補正方法の違いによる影響NOx排出量の算出に当たって、機関の吸込空気の水分に係る湿度補正係数は2種類ある。
KWR:分析値の乾き/湿り補正
KHDIES:吸気中の水分によるNOx生成量変化の補正
これらの算出に最も影響を与える吸気の絶対湿度について、過給機吸込空気の絶対湿度と掃気室出口の絶対湿度の影響を検討した。
3.6 各運転諸元間の相関前3.3及び前3.4の陸上試験、海上試験及び就航後で得られた各運転諸元の計測データに基づいて、

 

 

 

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